インシデント管理

インシデント管理の方法時間を損していませんか

情報セキュリティ用語である「インシデント」はIT業界における問題というわけではありません。飲食店やサービス業、医療現場でもインシデント管理は必要です。インシデント管理がしっかりできていれば、大きな問題の発生を防ぐことにもつながります。業種によってあるいは企業によってもインシデントの捉え方はさまざまでしょう。例えば、航空業界におけるインシデントと言えば、滑走路で燃料漏れを発見し、離陸を止めたといったことがこれに当たるでしょう。メーカーでは、工場で異物が混入し生産ラインが止まってしまったといったことが当たります。規格やガイドライン、組織によって解釈が異なることもありますが、ポイントは、自分の会社におけるインシデントとは何を指すかという点を確認し、定義しておくことです。まずこれをしておくことで、インシデント管理への対応にかかる時間は大幅に変わってくるでしょう。

インシデント管理 対応に時間をかけ過ぎない

利用者や顧客にとってインシデントに当たるケースを考えてみましょう。例えば、メールサーバにアクセスできなかったり、ソフトウェアがフリーズしてしまったりなどが挙げられます。プリンタの接続が正常にできていないということもあるでしょう。こういったことはどれもインシデントですが、厳密に言うと「障害」ではありません。インシデントを引き起こしている何らかの要因のひとつが障害であり、利用者や顧客にとって、本来インシデントとは、やりたいことができない状態です。上記に挙げたようなトラブルが起きた際、利用者や顧客が望むことは、インシデントへの対応であって、障害への復旧ではありません。利用者や顧客にとっては、やりたいことができれば問題ないので、インシデントが起きる度に、根本的な障害を究明する必要はないのです。インシデント管理と障害対応を分けて考えることで、インシデント解決にかかる時間はかなり削減されます。

具体的なインシデント管理方法 分類と記録

インシデントとは7つに分類することができます。1つ目は作業ミスなどの業務上のトラブルで、2つ目はシステムのトラブル、3つ目はスタッフが欠勤など業務の運営が不可能になる状態で、4つ目は顧客からの要望や突発的な依頼、5つ目がクレームで、6つ目が突然の改善提案、7つ目が予防措置です。予防措置とは、例えば夏のシーズン中、顧客が大幅に増えるのでスタッフを増員させる、などの対応のことです。自社の部やチームの問題として分類してみましょう。次にインシデント管理をしていきます。管理用のファイルを作ってトラブルに当たった人や提起した人が記録(入力)し、関係者全員で共有します。管理にはエクセルなどを使って一覧表を作り、共有フォルダに入れてみんなで閲覧できるようにしてみてください。コツコツ記録してインシデントと向き合えば、ユーザー目線で問題が見えたり次回のインシデントに役立てたりすることができるようになります。